2008年4月7日月曜日

プロトスタイリッド

プロトスタイリッド
(protostylid) は歯の形態異常の一つ。下顎大臼歯及び乳臼歯の近心頬側面に出現する、筆状の過剰結節のこと。

第二乳臼歯、第一大臼歯に好発する。同部位に発生する臼傍結節とは成因が異なるものと考えられている。





ISSN : 1344-3992
Anthropological Science (Japanese Series)
Vol. 114 (2006) , No. 1 pp.63-73
[PDF (860K)] [引用文献]


歯科人類学におけるカラベリー結節
近藤 信太郎1), 金澤 英作2), 中山 光子2)
1) 愛知学院大学歯学部解剖学第二講座
2) 日本大学松戸歯学部解剖人類形態学講座
(received April 21, 2006)
(accepted May 23, 2006)
要約 ヒトの上顎大臼歯と第二乳臼歯に見られるカラベリー結節は最もよく知られた歯冠形質のひとつである。この形質に関しては様々な観点から多数の研究が行われてきた。本稿では最近の研究を紹介するとともに,この形質が歯の人類学に与えた多くの課題を3つのキーワード「分布」,「遺伝」,「系統と発生」にしたがって検証した。「分布」の項では形質の基準,集団間の違い,ヨーロッパ人にカラベリー結節が多く見られる理由を検討した。「遺伝」の項ではカラベリー結節の遺伝,左右側の非対称性,性染色体とカラベリー結節,性差について考察した。「系統と発生」の項ではカラベリー結節の系統発生と個体発生,カラベリー結節は大きい歯にみられるのか,に関して検討した。歯の内部構造の研究方法の開発や分子生物学的な研究によりカラベリー結節は多方面からより詳細に研究され,未解決の課題が解明されることであろう。
キーワード 集団間変異, カラベリー結節の遺伝, カラベリー結節の発生, 歯帯, 性染色体

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